水のコラム

トイレの水がなくなるのはなぜ?原因と対処法

2023年04月24日 トイレ

トイレに発生する以上のひとつに、便器の中の水である封水がなくなる症状があります。これは、さまざまな原因で引き起こされる異常で、原因ごとに適切な対応が必要です。

ここでは、トイレの水がなくなる原因の中でもよくあるものを取り上げ、それぞれの対応方法を解説します。

トイレの水がなくなる原因

トイレの水がなくなる原因の中でも、特によくあるものを解説します。現在不具合や異常が発生している方は、該当するものがないか確認しながらご覧ください。

蒸発
便器の中の封水は、レバーを下げて洗浄するたびに補充される仕組みです。そのため、長時間使われないと、封水が蒸発してしまいます。気温や住宅の状態にもよりますが、大体1週間以上まったく使わない状態が続くと起こる原因です。

旅行などで長時間家を空けるのが分かっているときは、封水の蒸発対策をしておくと防げます。専用の薬剤がありますので、活用しましょう。

毛細管現象
トイレの排水管は、曲がりくねった構造をしています。ここにトイレットペーパーなどの溶け残りが引っかかり、封水に触れた状態になると、そこから水が少しずつ配管の奥へ流れて行ってしまうのです。これが、毛細管現象です。

トイレの水がなくなる現象とともに、詰まりによる症状がある場合や、一見すると何の以上も起きていないのに水が減っていく場合、配管の中で毛細管現象が起きているかもしれません。

配管内の気圧変化
集合住宅なら、配管内の気圧変化により水がなくなった可能性が考えられます。配管内に大量の水を流すと、中の気圧が変化します。この気圧変化に、トイレの封水が引っ張られ、排水されてしまうことがあるのです。

配管、それも共有部分が関係しているところで発生している原因のため、原因を根本から改善したい場合、管理者に話を通す必要があります。

タンクや便器のヒビ
タンクにひびが入ると、そこから水漏れします。便器の洗浄時に必要な水を確保できないため、封水が減っているように見えるパターンです。また、便器にひびが入り、そこから水漏れしている場合もあります。

細かいヒビから床下へ水漏れしているなどの場合、一目見ただけでは異常が発生しているのか分かりません。見分け方としては、タンクはその周辺に水漏れがないかを調べて判断します。

タンク内パーツの異常
タンク本体に異常がなくても、中のパーツが壊れていると、同じような現象が起きます。水量を徴するフロートバルブが壊れると、十分な水量を供給できなくなります。

また、洗浄レバーと連動し、水を流す役割を果たすゴムフロートが故障していると、そこから水が漏れてしまい、同じような状態になるケースも多いです。

便器の方に全く異常がなく、修理方法を実践しても発生し続ける場合、タンクで問題が起きているかもしれません。外側はもちろん、中でも異常が発生していないか調べましょう。

原因別対処法

トイレの封水切れは、原因ごとに対処法が違います。先ほど解説した原因ごとの対応方法を解説するので、不具合や故障に合わせてご活用ください。

蒸発・毛細管現象・気圧変化は水を流せば解決できる
蒸発や毛細管現象・配管の気圧変化による封水切れは、水を流せば元通りになります。レバーを下げて便器を洗浄しましょう。

一度流せば元通りになりますが、毛細管現象は配管内に溶け残りがある限り発生し続けます。元通りにした後は、配管内の掃除を行いましょう。配管用洗剤や、ラバーカップなどで汚れを取ってください。

配管内の気圧変化が何度も起きる原因として、配管の劣化や故障が挙げられます。修理しない限り封水切れが起こり続けることになるため、管理者に対応してもらわなくてはなりません。封水切れが起こった日時をメモしておき、それをもとに連絡しましょう。

タンクや便器のヒビは業者に交換を依頼する
タンクや便器のヒビが原因だと、交換修理するまでは改善できません。業者に施工を依頼しましょう。ひびが入った状態のトイレをそのまま使っていると危険です。業者の修理が終わるまで、トイレは使わないようにしてください。

タンク内の異常はパーツ調節や交換で修理する

次に、タンク内のパーツに異常が起きているパターンですが、これはパーツを調節・交換すれば修理できます。こちらはパーツと工具さえ用意できれば家庭でもできる修理です。やり方を解説しますので、参考にしてください。

用意する道具
まずは以下の道具を用意します。

・マイナスドライバー
・ゴム手袋
・モンキーレンチ
・ペンチ
・新しいパーツ

マイナスドライバーは止水栓の開閉に使います。ゴム手袋は、タンク内で作業するときに手を保護するためのものです。モンキーレンチはパーツを外すときに使います。

ペンチはパーツのアームを調節するための道具です。給水機能を調節するフロートバルブについている浮き球に使います。浮き球がない場合は必要ありません。

パーツが破損しているなら、新しいパーツを用意します。トイレのメーカーや型番により、使えるものが異なるためご注意ください。迷ったときは、メーカーの純正品を購入するか、外したパーツをホームセンターなどに持っていき、店員さんに確認してもらいながら購入しましょう。

止水栓を閉めてタンクのふたを開ける
道具が用意できたら、止水栓を閉めるところから取りかかります。栓には溝があるので、そこにマイナスドライバーを入れ、半時計回しに回してください。回した回数は後で栓を開けるときに使うので、メモしておきましょう。

栓を閉めたらタンクのふたを開けます。ふたは陶器製で重たいため、落として割らないようにしましょう。

中のパーツや水位に異常がないか確認・調節する
ふたを開けるとタンク内に水が満たされているはずです。まずは水位に異常がないか確認します。中に黒い線の入ったオーバーフロー管があるので、水面が線の2~3cm下に来ていないか確認しましょう。

正しい位置に無い場合は、フロートバルブについている水位調節ネジを操作するか、浮き球のアームをペンチで曲げて調節します。低い場合は上向きに、高い場合は下向きに曲げてください。

なお、浮き球はまれにパーツに引っかかっていることがあります。このような場合は、調節する必要はありません。引っかからない位置に動かしましょう。

破損しているパーツがあれば交換する
パーツが破損しているときは、交換作業を行います。一度トイレの中の水を抜き、壊れているパーツを外しましょう。フロートバルブはモンキーレンチでふたつのナットを外し、内側に引き抜けば外せます。

ゴムフロートはチェーンでつながれ、レバーにかけられているので、それを外しましょう。あとは取り外したときとは逆の手順で取り付けるだけです。

止水栓を開けて異常が改善されたか確認する
交換が終わったら止水栓を開けて水を流してください。正常に作動し、封水切れも発生しないなら、作業は完了です。もし異常が改善されない場合は、再開しましょう。

何度修理してもうまくいかない場合、別の原因が発生している可能性が高いです。業者に原因の加盟と修理を依頼しましょう。

まとめ

トイレの封水切れは、さまざまな原因で引き起こされます。原因の中には水を流すだけで対処できるものもあり、落ち着いた対応が必要です。異常に気が付いたときは、落ち着いて何が原因かを探すところから取りかかりましょう。

なお、原因が分からない場合や、家庭での修理が難しい場合は、業者の力を借りてください。故障を放置すると悪化する恐れがあるため、できるだけ早めに依頼しましょう。

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